
深まりゆく秋を迎え、空は高く晴れ上り「秋装う」のコトバの通り自然は日一日あざやかな錦の衣をまとってきます。
稲穂が熟して頭をたれ色づくとともに山里の棚田では黄金色の大階段が出現します。
稔りの秋です。そして秋は稲だけでなくさまざま果物も熟してきます。
柿 栗 梨 いちじく リンゴと深みゆく秋とともに味覚の秋を魅力的にしているのです。
その数ある秋の果実の中で、秋の代名詞ともいわれる柿は栗とともに古くから日本人のくらしを支えてきました。
弥生 縄文遺跡からも柿の種が出土、奈良時代には甘味料として重宝されてきました。
そして柿は日本からヨーロッパに伝えられたため学名は「kaki」がそのまま使われるほど日本のくだものの中でも特別な存在なのです。
というのも柿はビタミンCなどを多く含み栄養価も高いのですが、生薬としてもすごいのです。
お茶にもされる柿の葉は「柿葉」、干し柿は「柿餅」と呼ばれそして「柿渋」なども生薬としてあげられています。
さらに「柿蔕(してい)」は柿のヘタを乾燥したものでシャックリ止めに、さらに干し柿につく白い粉は「柿霜」、セキ止めに効果があるとか。
日本の秋の山里の風景で民家の庭に必ずといっていいほどたわわに実った柿の大本があるのは、柿が長く日本人の暮らしを守りつづけてきた証でもあるのです。
■秋の特徴
秋の深まりとともにカラダは冬支度を始めます。気温が低くなる冬に向けて、カラダを温める力を高めます。
「カラダを温める力」とは、栄養分であるエネルギーを燃やして熱をつくる力のこと。
エネルギーが効率よく燃えるためには新鮮な空気、酸素が必要です。
新鮮な空気、酸素は鼻から吸って気管、気管支、肺をとおって体内に取り込まれます。
秋は空気が乾燥してくるので、その変化に敏感に反応する呼吸器を良い状態にしておくことが大切です。
■冬支度がスムーズに進まない原因は「お腹の冷え」です。
この時期は「実りの秋」でもあり、一年のうちでも豊富な食べものに恵まれます。ついつい食べすぎてしまいますね。
平均気温は5月の初夏同様ですので、日中の最高気温は20℃を超えます。
そのため、まだまだ生ものや冷たいものが欲しくなります。
夏の間の生ものや冷たい食べものでお腹を冷やした方が、お腹の冷えをかかえたままであったり、秋になり食べすぎでお腹を冷やしてしまったりすると、お腹の冷えが原因で胸に熱が集まり、肺や気管支、気管に熱がこもり、「空咳(からぜき)」が出たり、痰(たん)がからまりやすくなったりします。 いわゆる「風邪」をひいた状態です。
この状態になると「冷えのぼせ」が起きます。
せっかく熱をつくる力を高めても、胸に熱が集まってしまい、「めまい」「耳鳴り」「鼻づまり」「首こり」「肩こり」「寝違い」「頭痛」などさまざまな症状が出やすくなります。
■「お腹の冷え」を解消しましょう
今私たちの生活は、季節を問わず冷たい食べものや飲みものを口にします。
その結果カラダに冷えを蓄積つづけていることになります。
「積冷」読んで字のごとく、現代人はカラダの奥底に冷えが積もるように蓄積しているのです。
「お腹の冷え」が体調不良の大きな原因になっています。
胃腸、とくに腸の動きに滞りがあると、足の土踏まずの筋肉が硬く張っていたり、コリがあったりして、指圧すると圧痛を感じます。
土踏まずの血行を良くして、筋肉の張り、コリをゆるめると、胃腸が動きはじめます。
冷えた胃腸を温めるツボ「公孫(こうそん)」にお灸をしましょう。
「お腹の冷え」をが改善できると、さまざまな症状もやわらぎます。
冬から春にかけてつらくなる「花粉症」もしかりです。
冬を迎える(立冬)前に、まず「お腹の冷え」を解消しましょう。
■10月の冷え症対策
①「お腹の冷え」を解消しよう!
②冷えのぼせを解消しよう!
③熱をつくる力を高めよう!
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お腹の動きを促して消化を促します。
症状:お腹の張り、胃もたれ、お腹の痛み、歯茎のはれ痛み、顔のむくみ、目の諸症状など
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[ツボのとり方]
ヒジを曲げた時にできるシワに人さし指をおき、指幅3本。くすり指があたっているところです。 動画をみる -
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せんねん灸 レインボー
「せんねん灸 レインボー」は温熱がゆるやかですが、施灸は一日3個までに、それでも温熱を感じない時は、次の日にまた施灸するのが効果的です。腸の働きをととのえるために毎日のお灸がおすすめです。
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お腹と腸の動きを促し、熱をつくる力を高め、胃腸の冷えを解消します。冷えのぼせをやわらげます。
症状:消化不良、下痢、便秘、痔、むくみ、精神不安、不眠など -
[ツボのとり方]
足の親指のつけ根にあるふくらみと、内くるぶしのななめ前にある骨のでっぱりのあいだで、もっともへこんでいるところです。 -
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せんねん灸の奇跡 ソフト
「せんねん灸の奇跡 ソフト」は温熱レベルが5段階の下から2つのレベルでゆるやかですが、もぐさを炭化したことで温熱時間が長くつづきます。足のツボ「公孫」にはおすすめのお灸です。
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カラダの熱を作る働きを高めます。
部分的に水が溜まって、むくみが増えてくるとカラダは冷えやすく温まりません。カラダの余分な水を外に出して、さらにカラダを温めます。
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[ツボのとり方]
まずヒジの高さを確認します。
ヒジと同じ高さで背骨の両脇を親指で押して気持ちよく感じるところが腎兪です。
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くび、肩、ヒジ、手くび、背骨、股関節、ひざ、足くびなど全身の関節をゆるめます。固くなっていた関節がゆるむとともに、かたよっていた熱を全身にめぐらせます。
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[ツボのとり方]
両手親指を腰骨のきわにあて、そのまま背骨にむかってスライドしていきます。両手親指と背骨があたったところで、背骨と背骨のあいだのへこみが腰陽関です。
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カラダの熱を作る働きを高めます。
部分的に水が溜まって、むくみが増えてくるとカラダは冷えやすく温まりません。カラダの余分な水を外に出して、さらにカラダを温めます。
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[ツボのとり方]
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみが太渓です。
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かぼちゃ
冬至にかぼちゃを食べる習慣があります。寒い季節に食べるのは薬膳からみても理にかなっています。
血行を促進してカラダを温める作用があり、冷え性の改善に効果があります。
胃腸の働きを高めて「気」を補う働きもあり疲労回復にも効果があります。
また、ビタミンEも豊富で毛細血管を広げ血流をよくする作用があります。冷えの原因は「気」や「血」のめぐりがとどこおって起こるので、カラダの中からのケアも大切です。
種や種のまわりのワタの部分にも栄養が含まれているので、できるだけ捨てずに食べましょう。
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乳製品
牛乳はカラダに水をひき留めるため、人によっては冷え、むくみの原因になります。
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白砂糖
むくみやすくなるため、カラダが冷えている人は砂糖のとりすぎに気をつけて。
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酸化コレステロールが多く含まれる食材
血を汚し、血行を悪くします。インスタントラーメンの麺、加工肉食品、長期保存の焼き菓子など。
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冷たい物
冷たい物(氷入りの飲み物、食べ物、ビールなど)のとりすぎは、消化器官を冷やし冷えを悪化させます。
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ごぼう・大根
ごぼうは食べすぎるとカラダを冷やします。ごぼう茶も控えめに。
大根おろしは、食べすぎると冷えがすすみます。加熱したり、切り干し大根はOKです。
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冷えとり靴下
朝、晩はめっきり涼しくなりました。
足許から冷えるという人が増えてきます。
この季節、保温性があり、履いている間半身浴をしているような効果があるといわれる冷えとり靴下がおすすめ
まず、シルク素材の5本指を履きその上に綿(ウール)、交互重ね履きします。
足許をあたためることで上半身の温度差をなくし「気」や「血」の流れをよくしましょう。