
11月を迎えて、あれほど記録的な暖かい日が続いた気候にかわり、一気に冷え込んで冬の気配となりました。
初しぐれ 猿も小蓑を ほしげなり 芭蕉
陰暦10月は時雨月。時雨の季節がやってきました。
時雨は冬の訪れを告げる通り雨のこと。
晴れていても急に空が暗くなり、パラパラと枯落葉を鳴らして降る雨は、短かい時は数分間で通りすぎるほどの一時の雨、それがくり返しやってくるのです。
時雨の語源に「しばし暗き」というのがありますが、京都では比叡山がすっぽり雲で見えなくなったり、鴨川の上流の北山が雲にかくれると待ったなしにやってきます。
時雨は主として山陰、北陸そして盆地である京都などに降ると通り雨のこと。
古くから冬を知らせる雨ということで万葉集をはじめ短歌、俳句などに数多くとりあげられていることでもわかる通りどこか日本人の心を動かすチカラがあるようです。
そしてこの時雨にせかさせるかのように人々はあわただしく冬支度に向かって動き出すのでした。
この頃の季語に「北窓塞ぐ」というのがありますが、かつて冬のきびしい寒さに供えて家の北側に窓は閉じて、時には目張りまでして冷たいすきま風をさえぎることも欠かせない冬支度だったのです。
■秋から冬に
冬の気圧配置は「西高東低」。冬は「木枯らし」とともにやってきますが、立冬の前後10日の間に吹くことが多いようです。
気温が下がるにつれて、カラダは自らつくった熱を外に逃さないように、皮膚の血管を収縮させ、引きしめます。
皮膚表面の温度は低くなりますので、日頃から皮膚温が低い方、とくに手足が冷えている方は、冬になるとさらに冷え、場合によっては痛みさえ感じるほどです。
皮膚の血液量が減少すれば、体表よりも深く、比較的太い血管を流れる血液量が増えます。
とくに静脈は筋肉が伸び縮みする運動によって血液が流れてますので、寒さでカラダが縮こまるようになると静脈の停滞が起こります。
足の静脈に滞りが続くと、骨盤内の静脈も停滞するようになり、「骨盤内うっ血症候群」と言われる骨盤内に痛みを感じるようになります。
※「骨盤内うっ血症候群」
慢性に起こる骨盤部の痛みで、骨盤部の静脈が太くなって(拡張して)蛇行し、その部分に血液がたまることで引き起こされます。
■冬の冷えに備え、静脈の流れを良くしておきましょう
冬は1年の中で、もっとも静脈の流れが滞ります。
静脈の停滞は、血液の再生や老廃物の排出も滞り、内臓全体のはたらきを低下させる原因にもなります。
あわせて自律神経のはたらきも乱れ、さまざまな不定愁訴が起こるようになります。手足などの末梢の血流は、自律神経によって調節されていますので、このままだと負のスパイラルから抜け出せません。
本格的な冬の冷えに備え、静脈の流れを良くしておきましょう。
■冬はちぢこまる季節 カラダを動かそう!
「冷え症」の方は、冷えを感じることによって必要以上に縮こまり、固まります。冬は運動量も減りますのでなおさらです。ますます冷えて困ります。
お灸で血行を促すと、筋肉がやわらかくなり関節の可動域が広がります。
お灸でカラダを温め、血のめぐりがよくなったら、カラダを動かしてみましょう。どこでも、いつでも、カンタンにできる運動を。
「お灸で筋活」がおすすめです。
https://www.sennenq-senior.jp/kinkatu/
■11月の冷え症対策
1 静脈の血行を良くしましょう!
2 熱をつくる力を高めよう!
3 お灸の後はカラダを動かそう!
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血液の停滞を動かし、冷え、むくみを解消します。
孔とは穴のこと。鼻、のど、気管など呼吸器の諸症状に。
症状:鼻炎、のどの腫れ、せき、痔 など
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[ツボのとり方]
ヒジの曲がりジワの親指側と手首をむすんだ線のヒジから1/3下がったところが孔最です。 動画をみる -
おすすめ商品
せんねん灸の奇跡 ソフト
冷えや鼻炎、せきのどの痛みにも効果のあるツボ・孔最には煙のでない「せんねん灸の奇跡 ソフト」がおすすめ。煙がでないので、呼吸器の諸症状にも負担をかけずにお灸ができます。
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血のめぐりをよくし、冷え、むくみを解消します。「血」と関係が深いことから命名されました。うっ血による諸症状に。
症状:月経痛、膀胱炎、肌荒れ、肌のかゆみ、貧血、痔 など -
[ツボのとり方]
ひざのお皿の上、内側角にくすり指をおき、指幅3本そろえて、人さし指があたっているところが血海です。 動画をみる -
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せんねん灸オフ レギュラーきゅう 伊吹
寒くなってくると、下肢があたたまらず足先は一日中つめたいことありませんか。血海のツボは血のめぐりをよくするツボ。この季節は少し温熱の高い「せんねん灸オフ レギュラーきゅう 伊吹」がおすすめです。
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カラダの熱を作る働きを高めます。
部分的に水が溜まって、むくみが増えてくるとカラダは冷えやすく温まりません。カラダの余分な水を外に出して、さらにカラダを温めます。
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[ツボのとり方]
まずヒジの高さを確認します。
ヒジと同じ高さで背骨の両脇を親指で押して気持ちよく感じるところが腎兪です。
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くび、肩、ヒジ、手くび、背骨、股関節、ひざ、足くびなど全身の関節をゆるめます。固くなっていた関節がゆるむとともに、かたよっていた熱を全身にめぐらせます。
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[ツボのとり方]
両手親指を腰骨のきわにあて、そのまま背骨にむかってスライドしていきます。両手親指と背骨があたったところで、背骨と背骨のあいだのへこみが腰陽関です。
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カラダの熱を作る働きを高めます。
部分的に水が溜まって、むくみが増えてくるとカラダは冷えやすく温まりません。カラダの余分な水を外に出して、さらにカラダを温めます。
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[ツボのとり方]
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみが太渓です。
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にんにく
滋養強壮や疲労回復に効果のあるにんにく。
「気・血」をめぐらせカラダを温め、五臓の機能を活性化する働きがあります。
香り成分のアリシンは、強い殺菌効果や新陳代謝をアップし、血行を良くする効果があります。
加熱することでアリシンがアホエンとスコルジニンに変化し、血液をサラサラにし末梢血管を拡張することでカラダの隅々まで血液がいきわたり、冷え性を改善します。
また、カラダを温めることで免疫力が高まり風邪やインフルエンザに感染しにくくなります。
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乳製品
牛乳はカラダに水をひき留めるため、人によっては冷え、むくみの原因になります。
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白砂糖
むくみやすくなるため、カラダが冷えている人は砂糖のとりすぎに気をつけて。
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酸化コレステロールが多く含まれる食材
血を汚し、血行を悪くします。インスタントラーメンの麺、加工肉食品、長期保存の焼き菓子など。
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冷たい物
冷たい物(氷入りの飲み物、食べ物、ビールなど)のとりすぎは、消化器官を冷やし冷えを悪化させます。
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ごぼう・大根
ごぼうは食べすぎるとカラダを冷やします。ごぼう茶も控えめに。
大根おろしは、食べすぎると冷えがすすみます。加熱したり、切り干し大根はOKです。
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ぽかぽか薬膳茶
肌寒さが身にしみる季節
冷えでのお悩みには
カラダの中からポカポカ温まる
薬膳茶がおすすめです
薬膳茶は中国では「薬茶」と呼ばれ
茶や葉、茎、くだもの、木の実などの
養生食材を季節や症状に合わせてブレンドしたお茶
冷えには
ジンジャー、なつめ、黒豆など
カラダを温める食材が
たっぷりのものがおすすめです。